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BRM P153(その1)


3リッター規定への移行後、ブリティッシュ・レーシング・モータースの成績は低迷していた。H型16気筒エンジンの開発は無駄な時間を費やしただけに終わり、V型12気筒へ開発をスイッチした後も、チームは勝利を記録することができずにいた。69年には元ワールドチャンピオンのジョン・サーティースを迎え入れたが、表彰台が1度という成績に終わる。チーム内の軋轢から技術面を取り仕切っていたトニー・ラッドとピーター・ライトが離脱し、サーティースもチームに見切りをつけて離脱してしまった。BRMは否応なしに、チーム体制を再構築する必要に迫られていたのである。新たにティム・パーネルがマネージャーに就任し、体調が悪化していたアルフレッド・オーウェンに代わって、オーウェンの義弟であるルイス・スタンレーが実権を握った。技術面ではラッドの後釜としてトニー・サウスゲートがチーフデザイナーに就任し、ニューマシンの開発を進めることになった。



70年シーズンを戦うべく用意されたのがP153である。デザインは新たにチーフデザイナーとなった、若干29歳の若手であるサウスゲートと、彼のアシスタントであるデイブ・ワスが担当した。高さの低いバスタブ型モノコックは側面の燃料タンク部分が丸く膨らんでおり、前作P139の流れを汲んで外見上の大きな特徴となっている。ノーズにはラジエターが置かれ、これもP153の外見で特徴的な部分である。サウスゲートは扱いやすいマシンとするべく、車体の設計は奇をてらわずに設計したようだ。



フロントサスペンションはP139までのロッキングアーム式からアウトボード式に変更され、設計を一新した。



エンジンはP153に合わせて開発された、出力およそ425HPのBRM P142 Mk2を搭載する。吸排気レイアウトは前年から逆転しており、改良はオーブリー・ウッズとピーター・ウィンザー-スミスが担当したようだ。ギアボックスはやはりアレック・ストークスが新規に開発した、BRM P151を組み合わせる。



ドライバーはジャッキー・オリバーが残留したが、前述のようにサーティースはチームを去った。彼の後釜として迎え入れられたのが、68年にBRMに所属していたペドロ・ロドリゲスだった。またサードドライバーとして前年スポット参戦したジョージ・イートンが起用された。エントラント名はオーウェン・レーシング・オーガニゼーション。





開幕戦南アフリカGP。3カー体制だがチームが用意できたP153は2台のみで、オリバーとロドリゲスが使用している。予選はオリバー12位、ロドリゲス16位とあまり振るわず、レースでも22週目にオリバーはクラッチが壊れリタイヤ。ロドリゲスが9位で完走したに留まる。ラジエター配管はローンチ時はカウル内に収まっていたが、実戦では熱の問題があったのか車体右側のみ露出する形態になった。



非選手権戦のレース・オブ・チャンピオンズ。ここから新たに化粧品メーカーのヤードレーがスポンサーについた。このためエントラント名がヤードレー・チームBRMに変更され、マシンもヤードレーのカラーで塗られた。しかしヤードレーカラーでエントリーしたのはオリバーのみであった。
オリバーは予選3位からスタートしたが、ドライブシャフトが壊れリタイヤ。



第2戦スペインGP。サードドライバーのイートンにも新車のP153-03が与えられたが、彼は予選落ちに終わる。予選ではオリバーが10番手だったが、ロドリゲスが5番手と好位置につける。だがレースではオープニングラップでジャッキー・イクスのフェラーリと絡んでクラッシュ。火の手が上がったP153は瞬く間に炎に包まれ、オリバーは無事だったがマシンはスクラップと化した。この事故を受けてチームはロドリゲスをピットに呼び戻し、レースから撤退したのだった。



フロントウィングは微調整可能なフラップが装備されたものがこのレースから投入されたようだ。ノーズコーンもストライプの無いロドリゲス車に対して、オリバー車はストライプ有りになっている。



第3戦モナコGP。イートンのP153-03はどういうわけかヤードレーカラーではなく、開幕戦と同じ緑色のままだった。スペインGPでも同じだったと思われるが、理由は定かではない。



イートンは予選落ちに終わるが、オリバーは14位、ロドリゲスは15位で予選を通過。レースではオリバーが42週目にエンジントラブルでリタイヤしたが、ロドリゲスがマーチのロニー・ピーターソンを抑えて6位に入賞。シーズン初のポイントを得る。



第4戦ベルギーGPではイートンが体調不良で欠場、オリバーとロドリゲスの2台で挑む。オリバーは予選14位からスタートしたが、スロットルのトラブルでリタイヤ。



一方のロドリゲスは6番手からスタートして順位を上げ、マーチのクリス・エイモンに1分の差をつけて見事優勝。BRMにとっては実に4年ぶりとなる勝利であった。



第5戦オランダGP。予選はロドリゲスがマシンを壊したがスペアカーに乗り換えてアタック続行。オリバーが5位、ロドリゲス7位、イートン18位と3台揃って通過を果たした。だが決勝では23週目にオリバー車のコンロッドが壊れ、イートンが28週目にオイル漏れとエンジン関係のトラブルで脱落。ロドリゲスも振るわず10位に順位を落としてレースを終えた。



第6戦フランスGPでもBRMはいまひとつで、ロドリゲスが予選10位、オリバー12位、イートン19位であった。レースもトラブルが解消できず、オリバーは5週目にエンジントラブル。ロドリゲスも6週目にギアボックスが壊れリタイヤ。イートンがトップから2週遅れの12位で完走を果たしたに留まる。



チームの地元である第7戦イギリスGP。地元のレースで気を吐いたオリバーが予選4番手を獲得したが、ロドリゲスは15番手に沈み、そのすぐ後ろ16位にイートンがつけた。
レースでは10週目に油圧の低下したイートンがリタイヤ。オリバーも54週目にエンジンが息絶え脱落、58週目にロドリゲスも単独でクラッシュしBRM全滅という結果に。



第8戦ドイツGPではイートンがエントリーを拒否されたため、オリバーとロドリゲスの2カーに縮小。予選は18番手に沈んでいたオリバーはエンジンの調子が悪かったらしく、5週目にコンロッドが壊れてリタイヤ。ロドリゲスは予選8位だったが、レースでスペアカーのP153-06に乗り換えて出走。だが7週目に点火系のトラブルでリタイヤしてしまった。ここからリアウィングのヤードレーチームBRMとイギリス国旗が描かれなくなる。



第9戦オーストリアGP。予選はオリバーが14位に食い込んだだけで、ロドリゲスが22位、イートン23位と精細を欠く。だがレースでは上位勢のリタイヤもあり、順位を上げたロドリゲスが4位、オリバーが5位に並んで入賞しポイントを得る。イートンも11位で完走し悪くない結果だった。



第10戦イタリアGP。P153はフロントウィングが外され、リアウィングも翼端版が小さいレスダウンフォース仕様である。予選はロドリゲスがフロントローの2位、オリバーも6番手につけ期待された。だがレースではロドリゲスが12週目、オリバーが36週目にどちらもエンジントラブルでレースを終える。20位からスタートしたイートンもオーバーヒートでリタイヤとBRM全滅。



第11戦カナダGPではロドリゲスが予選7位、地元のイートンが踏ん張り9位、オリバー10位と中団につける。レースはロドリゲスが4位に入賞しポイント獲得。イートンが5週遅れの10位で完走。オリバーはどうにか走っていたが週回数不足で完走扱いにはならなかった。



第12戦アメリカGPではヒルクライムなどを走っていたピーター・ウェストブリーをスポットで起用したが、予選落ちに終わる。



予選はロドリゲスが4番グリッドを得、オリバーは7位とまずまずの位置。イートンは14位だった。レースでもロドリゲスが追い上げを見せてシーズン2勝目が期待されたが、途中で燃料補給をしたため勝利の目は無くなった。結局ロドリゲスは2位表彰台に終わり、オリバーとイートンはエンジントラブルで早々にリタイヤしてしまった。



最終戦メキシコGPはイートンが欠場し、ロドリゲスとオリバーの2カー体制になる。地元の意地か予選7位からスタートしたロドリゲスは6位に入賞。オリバーも予選13位から順位を上げ、7位で完走してレースを終えた。



新たなスポンサーを得て、またチーム体制も大きく変化したことで、BRMは心機一転しチャンピオンシップで上位に返り咲くことを狙った。実際P153のパフォーマンスは悪くないものだったが、エンジンを中心に少なからずトラブルが出たため、獲得した得点はそれほど多いわけでもなかった。だが4年ぶりの勝利を記録し、チームは復活をかけて71年シーズンに挑むのである。



予選最高位は第10戦イタリアGPの2位、決勝最高位は第4戦ベルギーGPでの優勝で、いずれもロドリゲスによるものだった。70年はマトラと同点の23点を獲得し、コンストラクターズランキングはマトラを勝利数の差で上回り7位に終わる。

その2へ続く
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  1. 2014/05/11(日) 05:01:10|
  2. F1マシン
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