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BRM P142?


60年代はF1マシンの空力に関する研究が進んだが、中でも車体の下面に空気が流入しロードホールディング性が悪化することは、解決すべき問題の一つであった。68年にはフェラーリやホンダが小型のウィングを装備して車体にダウンフォースをかける対策を採用したが、ブリティッシュ・レーシング・モータースでも空力に関する研究が進められていた。



69年シーズン前半に設計が進められていたのがこのマシン、BRMウィングカーである。型式はWEB上ではP142というものを見かけるが、エンジンのPナンバーと重複しており詳細は不明。P136という表記も見かけた。デザインはトニー・ラッド指揮の下、ピーター・ライトが手がけた。



この車最大の特徴は、サイドポンツーンを備える左右に広がった車体である。車体上面にはNACAインテークが二つあり、これがエンジンのエアファンネルに空気を導く。ラジエターの配置は不明だが、NACAインテーク後方のサイドポンツーン内部に設置されていたのだろうか(吸気と冷却風導風を同時に行う?)。それまでの葉巻型F1であったP126やP133とは異なり、ノーズにラジエターは設置されていない。サイドポンツーンには燃料タンクが置かれたと思われるが、重心が高くなりそうである。その後部は下面が跳ね上げられており、後のマーチ701やウィングカーに通じるデザインをしている。



図面も出来上がっていた。サスペンションはそれまでのF1マシンと同じくフロントがロッキングアーム式、リアは不明確だがラジアスアームが存在し、アウトボード式のようだ。サイドポンツーンは構造的にはモノコックと一体といった方が正しいだろうか。



エンジンはエアファンネルとエギゾーストの位置からすると、69年シーズンにBRMが投入した、バンク間で排気を行う4バルブV12のP142を搭載する予定だったようだ。サイドポンツーンの跳ね上げ部分を確保しつつ、無理の無い吸排気レイアウトを要求することを考えれば、P142がこのマシンのために設計された物のように思えてくる。ギアボックスも同時期にBRMが開発したP131を組み合わせていたと思われる。



だが結局のところ、BRMはこの研究をマシンに生かすことができなかった。グラウンドエフェクト効果にエンジニア達が気付くのはまだしばらく先のことであったし、サイドポンツーン下部と側面が隔離されていないこの車ではまともなグラウンドエフェクトの発生は不可能であった。エースドライバーのジョン・サーティースは海の物とも山の物ともつかないこんな車にかまけている場合ではないし、これ以上手を掛ける意味など全く無い、無駄なことだと唱え、チームの力をP138、P139の開発に傾けるよう説得した。
その後ラッドの離脱によってこのマシンの設計を行う者もいなくなり、後任のトニー・サウスゲートはもっと現実的で扱いやすいニューマシンの開発にシフトしたため、このグラウンドエフェクトカーの始祖のようなマシンの開発プロジェクトは闇に葬り去られてしまったのである。ライトは風洞模型を手土産にスペシャライズド・モールディングへ移籍し、風洞実験での機材としてこれを利用してマーチ701を設計するなどしたが、いつしかその存在は忘れ去られていった。
やがてこのマシンのコンセプトは8年もの歳月が経った後、チーム・ロータスのタイプ78という形で実を結ぶことになる。そのタイプ78の設計者に名を連ねていたのは他でもない、トニー・ラッドとピーター・ライトであった。
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  1. 2014/04/18(金) 01:25:17|
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