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AGS JH22

AGS JH22

86年はシーズン終わりも近い2戦にスポット参戦し、ついにF1へのステップアップを果たしたAGSことオートモービルズ・ゴンファロネーゼ・スポルティーブ。マシンは撤退したルノーのものをベースにしたものだったが、このJH21Cを改修したマシンでAGSは87年シーズンを戦うこととした。87年は従来の1.5リッターターボエンジンの使用が認められていたが、新たに3.5リッター自然吸気エンジンの使用も許可された。チームはこの規定に併せてコスワースから販売されることとなったV8エンジンのフォード・コスワースDFZを搭載することを決めた。


AGS JH22_2

87年シーズンに向けてAGSが開発したマシンが、このJH22である。JH22のデザインは前作に引き続き、クリスチャン・ヴァンダープレイン指揮の下、ミシェル・コスタが手がけた。基本的にはJH21Cのエンジンを自然吸気規定に合わせて換装しただけのマシンと言える。


AGS JH22_3

製作中のJH22。見ての通りモノコックはJH21Cの流用なので、ほぼ同一である。JH21Cから改修されたJH22-032と思われる。


AGS JH22_6

サイドポンツーンはラジエターインテーク部分こそJH21Cと似ているが、その幅は若干狭くされた。自然吸気エンジンの搭載で冷却容量に余裕が出たためと思われる。側面はインテークから斜めに絞り込まれる形状となっており、ルノーと似ていたJH21Cとは異なっている。リアのアップライトはRE60B用のままで、モノコック以外ではこれが唯一の流用品となっている。
エンジンは前述の通り、コスワースが新規定に合わせてフォード・コスワースDFVをベースに3.5リッターに排気量を拡大した、新型のフォード・コスワースDFZを搭載した。ただしコスワースの供給枠はティレルが得ていたため、スイスのハイニ・マーダーが供給とメンテナンスを担当するカスタマー仕様である。
ドライバーは前年起用したイヴァン・カペリがマーチに移籍してしまったため、新たに国際F3000選手権を戦っていたフランス人のパスカル・ファブルを起用した。スポンサーは前年についていたジョリークラブが離れたが、エル・シャロは継続した。エントラント名はエル・シャロ・チームAGS。


AGS JH22_4

詳細不明のマシン。一見すると86年型のJH21Cだが、よく見るとターボ用のエアインテークが見当たらない。タイヤもJH21Cが履いていたピレリではなくグッドイヤーとなっている。全体的にはピローニがシェイクダウンした仕様に近いのだが、リアウィングも白で塗られており異なる。エンジンマウントのブラケットも塗られていたJH21Cではなく、JH22同様の金属地である。JH21Cを改造したばかりのJH22なのか、あるいはJH22からJH21Cへ復元した個体なのかもしれないが、画像からは読み取れなかった。


AGS JH22_5

テストでのJH22。インダクションポッドは古めかしいT型のものが製作され装備された。フロントサスペンション基部のカバーが無く、その下のパネルが黒いのでJH22-033と思われる。


AGS JH22_7

開幕戦ブラジルGP。予選は下から2番目の22位だったが、レースは同じNAエンジンのティレルに続いて最下位ながらも完走を果たし12位だった。ただしDFZを搭載したこの3台の上位は全てターボエンジン搭載車であり、新規定移行ながらもマシンの戦闘力ではまだ敵わないのが現実であった。


AGS JH22_8

第2戦サンマリノGP。リアビューミラーは視認性が悪かったらしく、普通のミラーをモノコックに取り付けるようになった。また、ノーズにカーナンバーが書き加えられている。予選はターボエンジンのオゼッラよりは速かったが、下から2番目の25位と相変わらずだった。レースは13位で完走したが、これは完走した中では最下位だった。


AGS JH22_9

第3戦ベルギーGPもやはり、下から2番目の予選25位で定位置だった。レースも最下位で完走し10位を得る。


AGS JH22_10

第4戦モナコGPでカラーリングが変更され、赤と白の派手な縞模様になった。モノコック上面のカバーもJH21Cと同じものから、スムーズに弧を描くタイプに交換されている。予選24位からスタートしたファブルは13位でレースを終える。これはいずれも最下位であった。


AGS JH22_11

第5戦アメリカGPから、リアウィング翼端板の内側も白く塗られるようになる。カラーリングも少し変更があり、モノコックに走る一番上のストライプが無くなり、多少すっきりとしたデザインになった。予選は最下位の26位、レースも最下位の12位で完走といつも通りの結果であった。


AGS JH22_12

第6戦フランスGPで新型のボディワークが投入された。それまでサイドポンツーン側面は全てにスリット状のエアウトレットが開けられていたが、新型カウルはJH21Cに似た開口部のエアアウトレットとなっている。またT型のインダクションポッドは廃され、エンジンカウル上面を膨らませて前方にエアインテークを開ける形態とした。ここはチームの地元となるグランプリだったが、予選は最下位の26位といつもの位置である。レースも完走だけは果たして9位となった。


AGS JH22_13

第7戦イギリスGP。サイドポンツーンのエアアウトレットは左右で面積が異なるようだ。またカウルも1台分しか作らなかったらしく、スペアカーには従来型のカウルが装着されている。予選はリジェのピエルカルロ・ギンザーニが失格となり25位だったが、これは最下位だった。レースも6周遅れの9位で完走するが、もちろん最下位であった。


AGS JH22_14

第8戦ドイツGP。予選はオゼッラより速く25位。しかしレースではDFZのバルブが壊れ、10周目にリタイヤとなる。これまで連続して完走を記録していたファブルだったが、これで途切れた。


AGS JH22_15

第9戦ハンガリーGP。予選26位からスタートしたファブルは、終盤にホイールナットが外れてリタイヤしたウィリアムズのナイジェル・マンセルを上回る13位でレースを終えた。


AGS JH22_16

第10戦オーストリアGP。予選26位と相変わらずの位置だったが、レースはスタートで多重クラッシュが起こり再スタートとなる。その後も走り続けていたファブルだったが、45週で完走扱いにはならずレースを終えた。


AGS JH22_17

第15戦日本GPを前に、突如ファブルは解雇されてしまった。予選落ちが連続した上、「走るシケイン」というあだ名を付けられてしまった彼はチームの不興を買ってしまったようだった。後釜についたのは国際F3000選手権でラルト・ホンダから出走していたロベルト・モレノだった。予選は最下位の26位からスタートしたモレノだったが、38周目にエンジントラブルでリタイヤに終わる。どの時点からかは不明だが、ノーズコーン周りの塗り分けは再び変更され、モナコGPの頃と似たものになっている。


AGS JH22_18

第16戦オーストラリアGP。予選はミナルディのエイドリアン・カンポスを上回り25位を得た。レースは完走台数が7台の中でザクスピードのクリスチャン・ダナーを抑え、6位で完走し重要な1点を持ち帰る。



AGS JH22_19

こうして送り出されたJH22だったが実態はJH21Cのエンジンを換装した旧型マシンに過ぎず、しかもそのモノコックはルノーF1のものを元にするという旧態甚だしいものであった。シーズン中は常に下位をうろつき、その位置は向上することが無かった。シーズン終盤にはドライバーを挿げ替えてみたものの、AGSは僅か1点しか獲得することが出来なかったのである。マシンのアップデートはカウルの変更以外にほとんど無く、戦闘力に乏しいJH22で良い成績を上げるのはとても困難だった。チームはモレノを引き続き起用できればしたかったのだが、チームからギャラが支払われなかった彼はフェラーリのテストドライバーとしての道を選択し去っていった。既にこの時、AGSは資金的な問題に直面していたのである。


AGS JH22_20

予選最高位は複数回記録した25位、決勝最高位は最後にモレノが得た6位であった。この年NAエンジン搭載車で争われたコリン・チャップマン・カップはティレルの圧勝で、終盤にはラルース・ローラに追い越されて3位で終わっている。コンストラクターズランキングは1点を得たが、完走した順位でリジェに敗れ12位だった。



JH22は1台がJH21Cから改修され、1台が新造された。
JH22-032はJH21C-032から改修され、開幕戦ブラジルGPでスペアカーとして投入された。第3戦ベルギーGPまでと第7戦イギリスGPはスペアカーだったが、それ以外では第14戦メキシコGPまでファブル車となっている。第15戦日本GPと最終戦オーストラリアGPはモレノ車だった。
JH22-033は開幕戦ブラジルGPで投入され、第3戦ベルギーGPまでと、第7戦イギリスGPでファブル車だった。それ以外ではスペアカーとなっている。その後JH22Bに改修された。
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  1. 2016/02/20(土) 23:47:47|
  2. F1マシン
  3. | コメント:7
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コメント

まぁ、AGSは置いといて・・・

更新お疲れ様です(´▽`)

87年シーズンはフジTVの全戦中継が始まった年ですね。

まぁ、AGSは置いといて・・・

このシーズンから中島悟がロータスに乗ることになったのを聞いて、「ついに、日本人がF1に乗る時代になったのか」と感慨深かったです。
個人的にはJPSカラーが好きだったのですが、99Tを見て「ロータスが黄色いクルマになってる・・・。」と少し残念でした。ラクダ色も嫌いじゃないですけどね(´▽`)
そうそう、99Tにはアクティブサスが搭載されていましたね。当時「不思議な仕組みだが、なんだかすごそうだ」って思ってましたよ(´▽`)

・・・で、99Tが走り出すと「おお、12番の人は凄いな!」と思いました。この段階では12番の人があそこまでスゴくなるとは思ってませんでしたが・・・。

唐突ですが話は変わります。下記は私が作った図式です(´▽`)

「不思議な仕組みだが、なんだかすごそうだ」 = チーム・ロータス

今のロータスはこの図式が当てはまらないので見る気になれないんですよね・・・。

99Tは前衛的なかつてのロータスらしさが感じられて好きな車です。
  1. 2016/02/21(日) 10:42:11 |
  2. URL |
  3. ぽこぽこ #-
  4. [ 編集 ]

あんた頑張って進めや

タイレルのDFZはブライアンハートがチューンしてましたね~マーダーの評価は…レイトン関係者はクソマーダー呼ばわりしてましたね(^_^;)ジャッドに切り替えたのは、余程だったのですかね。
サイドポンツーンがナローですが~効果はあったのかな?なんといいますか、F3000みたいな…当時はAGSの画なんぞ関心が無かったので気付きませんでした(^_^;)
エブロのブラバムF2~川本サン設計の1000cc四気筒のアレです。リントに全勝止められた奴。
  1. 2016/02/21(日) 20:39:38 |
  2. URL |
  3. lc1gr6 #mQop/nM.
  4. [ 編集 ]

レイトン関係者曰わく「マーダーのDFZは、DFLからリビルドしたのが混じっていた!」悪名高き3.9リットル仕様ではなく、C2用3.3リットルベースだと思いますが…
当時のレーシングオン見ますと、日本のF3000開幕戦には、マーダー自身が営業に来てますね~初年度こそ、グラチャン用も含めて、そこそこ売れたみたいですが…無限MF308が市販されたらもう(^_^;)
88年のモレノのレイナードはニコルソンみたいですね。
  1. 2016/02/23(火) 09:19:15 |
  2. URL |
  3. lc1gr6 #-
  4. [ 編集 ]

ロベルト・モレノさんの才能を見せつけた迷車ですね…

アンドレア・モーダでモナコ決勝走ってコレで入賞…

モレノさんは凄すぎです‼︎
  1. 2016/02/24(水) 20:37:26 |
  2. URL |
  3. mikio #-
  4. [ 編集 ]

ぽこぽこさん

いや、JH22語りましょうよ笑

>12番の人
99Tで2勝、ルノーエンジン時代もトールマンもあの通りですから、信じられないくらい凄いドライバーだったんだなあ、と。

今のロータスは元ルノーで名前だけですからね。そのロータスにしてもマレーシア資本で昔とは関係ないですし。そんなロータスも今年からまたルノー笑
  1. 2016/03/27(日) 23:28:30 |
  2. URL |
  3. Bou_CK #Y17400wE
  4. [ 編集 ]

lc1gr6さん

>タイレルのDFZはブライアンハートがチューンしてましたね~
ハートだったんですか。データ直しておこう。

>サイドポンツーンがナローですが~効果はあったのかな?なんといいますか、F3000みたいな…
AUTOCOURSE曰く「風洞実験はしていない」らしいので、ヴァンダープレインとコスタが勘で線を引いたのでしょう笑
意味不明なインダクションといい、牧歌的なマシンです笑

>クソマーダー
直球過ぎる評価にエンジンオイル噴いた。

>「マーダーのDFZは、DFLからリビルドしたのが混じっていた!」
確かモナコでDFZが足りなくて、871のTカーは3.3リッターのDFL積んでたんですよね。デリバリーに間に合わなくてDFLのブロック使ったんでしょうかね…。F3000はいろんなチューナーがいたみたいですね。

>ブラバムF2
うへ、何でこんな間違いを…恥ずかしい笑
  1. 2016/03/27(日) 23:37:18 |
  2. URL |
  3. Bou_CK #Y17400wE
  4. [ 編集 ]

mikioさん

モレノさん頑張ってポイント取ったのにギャラ支払われてないとか泣けます。
さすがに怒って出て行っちゃいましたが笑
  1. 2016/03/27(日) 23:38:29 |
  2. URL |
  3. Bou_CK #Y17400wE
  4. [ 編集 ]

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