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AGS JH23

AGS JH23

87年は3.5リッター自然吸気エンジンを使用できる規定が施行され、ターボエンジンは淘汰される流れになった。どうにか最終戦でポイントを獲得することが出来たオートモービルズ・ゴンファロネーゼ・スポルティーブ:AGSであったが、マシンのJH22は旧態著しいものであった。いつまでもこのような戦闘力の低いマシンに頼るわけにもいかず、財政的にも苦しい状況ではあったが、ファクトリーでは88年シーズンに向けて新車の開発が進められていた。だが88年は新たにコローニ、スクーデリア・イタリア、ユーロブルン、リアルの各チームが参戦を始め、AGSは争う相手が増えることになってしまった。


AGS JH23_2

AGS JH23_3

AGSが88年シーズンを戦うために用意されたニューマシンが、このJH23である。JH23のデザインはJH22に引き続き、クリスチャン・ヴァンダープレイン指揮の下、チーフデザイナーのミシェル・コスタが行った。車体のデザインは一新され、前作JH22との共通点は全く無い。全体的な雰囲気は前年のラルースLC87やマーチ871に近いもので、F3000マシンの拡大版といったものであり、自然吸気エンジン搭載マシンとしてはごくオーソドックスなデザインをしている。モノコックはJH22に比べるとかなり細身になっており、コンパクトかつ近代的な外観になった。


AGS JH23_13

エンジンは前年に引き続き、ハイニ・マーダーが供給とメンテナンスを担当するV型8気筒3.5リッターのフォード・コスワースDFZを搭載した。
ドライバーは前年終盤に走ったロベルト・モレノが離脱してしまったため、新たにティレルからフィリップ・ストレイフを迎え入れた。ストレイフはF2及びF3000選手権時代にAGSから出走しており、古巣に出戻った形となる。
スポンサーはエル・シャロが離脱し新たにTENNENがついたが、白い車体に描かれたロゴからすると額は少なそうである。シーズン開幕前にはストレイフがブーイグからの支援を獲得した。エントラント名はブーイグ・チームAGS。


AGS JH23_4

開幕戦ブラジルGPはストレイフが予選19番手につけた。リジェの1台やティレルより速く、期待が持てそうだったが35周目にブレーキのトラブルからスピンしリタイヤとなった。リアウィングにはエレメントを一枚増やし、二段としている。


AGS JH23_5

サンマリノGPでマシンのカラーリングを濃紺とオレンジに変更し、味気無い白一色から引き締まった印象になった。とはいえスポンサーが増えたわけではない。スペアカーに新車の035も投入されている。予選は13位とコスワースDFZ勢最上位でポイントを狙えるかもしれない位置にいた。レースでストレイフはミナルディやラルース・ローラを抑えて10位で完走を果たす。


AGS JH23_6

第3戦モナコGPもストレイフの走りが光る。予選12番手は今シーズン最高位であったが、レースはスロットルリンケージのトラブルからスタートできずにせっかくの結果を無為にしてしまった。二つ上のグリッドにいたティレルのジョナサン・パーマーが入賞していたことを考えれば、AGSにも入賞のチャンスはあったと考えられるが、結果は覆らない。リアウィングはメインフラップ中央へのステーでの支持をやめ、翼端板で支持する形態にアップデートされた。


AGS JH23_7

ポールリカールでのテストを2番手タイムで終えて迎えた第4戦メキシコGP。予選19位からスタートしたストレイフはトップから4周遅れの13位でチェッカーを受けた。


AGS JH23_8

第5戦カナダGP。DFZ勢最速で予選10位を得たストレイフだったが、レースは41周目にサスペンションのトラブルでリタイヤに終わる。


AGS JH23_9

第6戦アメリカGPもやはりDFZ勢では最速で予選11番手に入ったストレイフ。だがまたしてもサスペンションが壊れ、15周目にリタイヤしてしまった。


AGS JH23_10

チームの地元である第7戦フランスGP。タイムが伸びずストレイフは予選17位に位置した。レースは燃料漏れが起こり、20周目にリタイヤ。


AGS JH23_11

第8戦イギリスGP。予選16位からスタートしたストレイフだったが、接触でリアウィングにダメージを負い8周でリタイヤに終わる。リアウィングのエルフのロゴの周りがオレンジではないが、スペアカーの034だろうか。


AGS JH23_12

第9戦ドイツGPも予選16位を得たストレイフ。しかし相変わらずのトラブル続きで、スロットルワイヤーの問題が起こり38周目にリタイヤ。


AGS JH23_14

第10戦ハンガリーGPを前に、AGSはライバルであるイタリアのコローニからスタッフの引き抜きに遭ってしまう。技術面を統括していたヴァンダープレインに加えデザイナーのコスタ、さらにマネージャーのフレデリック・ダイノーが揃ってコローニに移籍してしまったのである。これはリソースの少ないAGSにしてみれば、大変な損失であった。エンジニア不在が響いたのかストレイフは予選23位に沈み、8周目にホイール脱落という情け無いトラブルでレースを終える。


AGS JH23_15

第11戦ベルギーGPはニューシャシーの036が完成し投入された。またスポットでスポンサーを得たためか、ノーズのオレンジ色が消えた。予選18位からスタートしたストレイフはスロットルケーブルのトラブルでストップしたが、12位完走扱いでレースを終えた。


AGS JH23_16

第12戦イタリアGP。ストレイフは予選23位に沈み、31周目にギアボックスが壊れリタイヤ。


AGS JH23_17

第13戦ポルトガルGP。予選21位からスタートしたストレイフはポイント獲得までは届かなかったが、9位完走と今シーズン初のシングルフィニッシュを果たす。


AGS JH23_18

第14戦スペインGP、ストレイフはラルース・ローラのフィリップ・アリオーに僅かに敵わず予選13位に位置した。レースもいい走りが期待されたが、16周目にエンジントラブルで無念のリタイヤ。


AGS JH23_19

第15戦日本GP。予選18位からスタートしたストレイフはラルース・ローラのアリオーとレイトンハウス・マーチのマウリシオ・グージェルミンを抑えて8位で完走を果たす。


AGS JH23_20

最終戦オーストラリアGP。予選16番手を得たストレイフだったが、レースは終盤の73周目に電気系統のトラブルでリタイヤに終わった。



AGS JH23_21

予選最高位は第5戦カナダGPでの10位。決勝最高位は第16戦日本GPでの8位で、ポイント獲得は無かったが、最高位の差でコンストラクターズランキングは13位を獲得してシーズンを終える。87年シーズンにポイントを獲得していたおかげで予備予選を免れていたチームだったが、88年シーズンはストレイフの奮闘でマシンがしばしば中団グリッドの上位に顔を出していたものの、ポイントを獲得することが出来なかった。


AGS JH23_22

JH23はJH22に比べれば進化を果たしていたが、マシンのトラブルが足を引っ張った。また1カー体制で資金的にも潤沢でなく、シーズン後半にスタッフを引き抜かれたことでチームの力はさらに削がれてしまった。シーズン終了後にチームは、元リジェのエンジニアで、F3000での参戦を止めて解散したGBDAモータースポーツからクロード・ガロパンを招聘しチーフデザイナーに据えたが、新車の開発までは手が回っていなかった。またそれだけでなく、新規チームの参入はエントリー台数の著しい増加を招き、89年シーズンは総勢40台が予選のグリッドを奪い合うことになった。このため下位チームには予選に進むための予選である予備予選が課せられていたが、88年シーズンに下位に沈んだAGSはこの地獄に引きずり込まれてしまうのであった。




JH23は3台が製作された。
JH23-034は開幕戦ブラジルGPで投入され、第3戦モナコGPまでストレイフ車だった。第4戦メキシコGPから第11戦ベルギーGPまではスペアカーとなっている。その後JH23Bに改修された。

JH23-035は第2戦サンマリノGPで投入され、第3戦モナコGPまでスペアカーだった。第4戦メキシコGPから第10戦ハンガリーGPまではストレイフ車となり、第12戦イタリアGPから最終戦オーストラリアGPまでは再びスペアカーとなっている。その後JH23Bに改修された。

JH23-036は第11戦ベルギーGPで投入され、最終戦オーストラリアGPまでストレイフ車となっている。その後JH23Bに改修された。
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  1. 2016/03/27(日) 23:17:16|
  2. F1マシン
  3. | コメント:11
<<AGS JH23B | ホーム | AGS JH22>>

コメント

この年のF3500くらすの主役は、レイトンマーチでしたね。他のプライベートチームは…記憶に残ってません(^_^;)開幕戦の白い奴なんか、まったく記憶になかったですなぁ(^_^;)
翌年以降~大なり小なり、ニューイーのコピーマシンが蔓延るわけですが…当のMarch自体~ニューイー作のMarch86Cのコンセプトを移植した87市販マシン群が軒並み失敗して、F3000でもCARTでも客離れ…インディ500じゃ型落ちの86Cが勝つ始末(^_^;)
ダイエットのし過ぎは、足まわりにしわ寄せが行く時代だったのですかね?
F1開幕~遂にCSのみ…まあ、30年前に戻ったと思えば(T_T)
  1. 2016/03/29(火) 16:45:23 |
  2. URL |
  3. lc1gr6 #-
  4. [ 編集 ]

確か

初めまして。コメント初投稿です。
個人的に好きだったAGSのマシンが取り上げられるのは嬉しいのですが、やはり泡沫弱小ってイメージしか出てこないですよね。少々悲しいですがこれが現実ですね。

ところでこのJH22は88年シーズンオフにMGM製のW12エンジンを積んでテストをした車体でしたよね。もしこれが実戦に出ていたら、ライフW12は存在しなかったんでしょうかね?それが気になるところです。
更新を楽しみにしていますね。頑張って下さい。
  1. 2016/03/30(水) 21:01:03 |
  2. URL |
  3. Dr.Strangelove #-
  4. [ 編集 ]

あ・・・。

W12を積んでテストしたのはJH23でしたね。間違えてました。申し訳ありません。
  1. 2016/03/30(水) 21:05:13 |
  2. URL |
  3. Dr.Strangelove #-
  4. [ 編集 ]

ペタンコ

更新お疲れ様です(´▽`)

JH23になって細くてペタンコな車になりましたね。見た目もまずまずいいですし、成績も上がりましたね(´▽`)

このシーズンはAGSのほかにも細くてペタンコな車が印象に残っています。FW12・マーチ881・MP4/4あたりが思い出されますね。

MP4/4は圧倒的な結果を残したし、マーチ881も相性のいいコースだと速かったですね。

やはりフォーミュラは細くてペタンコに限りますね(´▽`)





  1. 2016/03/31(木) 21:56:58 |
  2. URL |
  3. ぽこぽこ #-
  4. [ 編集 ]

初めまして

コメント初投稿です。
歴代AGSのマシンの中ではJH23が最速というイメージがありましたが、実際の成績は前年より落ちてますね(;´・ω・)
予選では結構いいところまで来てますが、これはストレイフの腕によるものが大きいでしょうねえ・・・
  1. 2016/04/01(金) 21:54:01 |
  2. URL |
  3. karei #-
  4. [ 編集 ]

マシンの性能アップも勿論ですが、ストレイフの孤軍奮闘は光りますね。つくづく翌年のリオテストのクラッシュが惜しまれます。
タルキーニ・ストレイフのいぶし銀コンビ見たかったな~
  1. 2016/04/02(土) 11:30:10 |
  2. URL |
  3. 黒岩軍団 #-
  4. [ 編集 ]

lc1gr6さん

>この年のF3500くらすの主役は、レイトンマーチでしたね。
だいたいどこも同じような感じですよね。白いJH23はどこか貧乏くさいです笑

>March
この頃から転落し始めて、Cカーもイマイチでインディはマーチアルファでおじゃん、
F3000も失敗といいとこなしでしたね。

>F1開幕~遂にCSのみ…まあ、30年前に戻ったと思えば(T_T)
残念ですが、自分はネットで追うことにします…。
  1. 2016/04/19(火) 19:55:05 |
  2. URL |
  3. Bou_CK #Y17400wE
  4. [ 編集 ]

Dr.Strangeloveさん

はじめまして。AGSいいですよね笑

>MGN
積んでたのはJH22ですね。JH23は積んでいないです。
その辺も言及しますよ。

>もしこれが実戦に出ていたら、ライフW12は存在しなかったんでしょうかね?
あのイタリア人連中のことですから、そんなこと気にせず
L35を製作して送り出していたんじゃないでしょうか笑
  1. 2016/04/19(火) 20:24:36 |
  2. URL |
  3. Bou_CK #Y17400wE
  4. [ 編集 ]

ぽこぽこさん

JH23、前作JH22比べるとだいぶマトモになりました。

>ペタンコ
JS31もありますよ笑
  1. 2016/04/19(火) 23:36:58 |
  2. URL |
  3. Bou_CK #Y17400wE
  4. [ 編集 ]

kareiさん

はじめまして。
JH23意外と速いですね。どうもエルフの予選用ガソリンを貰っていたようで、
予選の速さの秘密の一端はここにもあったのかな、と。
ストレイフが踏ん張っているんですが弱小ゆえかトラブル多くてダメですね。
  1. 2016/04/19(火) 23:39:20 |
  2. URL |
  3. Bou_CK #Y17400wE
  4. [ 編集 ]

黒岩軍団さん

はじめまして。お名前に噴いてしまった笑

>タルキーニ・ストレイフのいぶし銀コンビ見たかったな~
そうなってたら渋いですねえ。実際はヴィンケルホックがセカンドだったでしょうけど。
仮にこの組み合わせになったら、予備予選職人の
タルキーニがどこまでやってくれるかが見物ですね笑
  1. 2016/04/19(火) 23:43:01 |
  2. URL |
  3. Bou_CK #Y17400wE
  4. [ 編集 ]

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