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AGS JH25

AGS JH25

89年シーズンはチーム株式の売却で資金難をしのいだオートモービルズ・ゴンファロネーゼ・スポルティーブ:AGSであったが、マシン開発は遅延し新車JH24は全く結果を出せないままシーズンを終え、さらに成績の低迷はチームを予備予選組に転落させるという状況に至らせてしまった。新たなオーナーとなったシリル・ド・ルーブルは実業家であったが、彼は従来の通り創設者のアンリ・ジュリアンを現場指揮者に据えた。またかつてAGSに在籍し、その後チーム・オレカを立ち上げていたユーグ・ド・ショーナックをマネージャーに起用した。さらに開発の強化を図るべく、ド・ルーブルはファクトリーをゴンファロンからル・リュックに移転することを決めた。彼はとにかくチームを強化しようと考えていた。


AGS JH25_2

90年シーズンを戦うべくAGSが開発したのが、JH25である。89年はコローニチームに引き抜かれてクリスチャン・ヴァンダープレインとともにチームを去っていたミシェル・コスタが復帰し、マシン開発の指揮を執ることとなった。だがファクトリーの移転もあり、コスタはJH25の開発に着手するのを遅らせざるを得なかった。それでもコスタの復帰は情勢の厳しいチームにとっては数少ないポジティブな要素の一つであり、新車の開発には期待が持たれた。


AGS JH25-Coloni FC189_2

JH25のデザインはコスタが手がけたものである。基本的には前年にヴァンダープレインとコスタが手がけたコローニFC189のラインを継承しており、下部を持ち上げたモノコックのラインはFC189とよく似ている。


AGS JH25-Coloni FC189_3

そのモノコックはノーズからコクピット部分にかけてがかなりの細身になっており、前作JH24までに比べると進歩を果たした。モノコックはFC189より持ち上げられており、コクピット前が盛り上がっている。ロールバーはFC189と異なり、モノコック一体となった。構造的に大きな変更はモノショックとなったことで、2本のショックを備えていたFC189とは全く異なっている。デザインの下敷きになっているFC189はマーチ881に倣ったデザインをしており、モノショックを採用していたティレル018のデザインを取り入れるなど、コスタはV8エンジン搭載マシンの流行をそつなく取り入れようとしていた。


AGS JH25-Coloni FC189

サイドポンツーンはFC189に似るが、ラジエターインテークの開口部は前進しており、側面が絞り込まれている。エンジンへのエアインダクションはT字型のインテークをしており、やはりマーチ881を手本としたFC189とよく似たものである。


AGS JH25_3

エンジンは前年に引き続き、ハイニ・マーダーが供給とメンテナンスを担当する、フォード・コスワースDFR 90を搭載した。出力はおよそ610HP。ギアボックスは従来と同型の縦置き6速マニュアルを搭載する。


AGS JH25_17

ドライバーは引き続きガブリエレ・タルキーニとヤニック・ダルマスのコンビである。エントラント名はテッド・ラピダス・チームAGS。


AGS JH25_4

期待の新車としてJH25が投入された第3戦サンマリノGPだったが、ダルマスが手首を負傷し出走を取りやめ。タルキーニもDFRの油圧低下に見舞われ、まさかのノータイムに終わる。せっかく新車を投入しながらも、AGSはニューマシンのデビューを予備予選落ちで終えた。エンジンカウルには?????の文字が躍る。これは大口スポンサーと交渉中というアピールだったらしい。


AGS JH25_5

第5戦カナダGPは資金不足のためか、チームはスペアカーを持ち込まなかった。タルキーニがラルース・ローラのエリック・ベルナールに0.01秒差まで迫ったが残念ながら予備予選落ち。ダルマスもタルキーニから0.6秒遅れて予備予選落ちだった。このレースの後、マネージャーのショーナックはチームを離れた。エンジンカウルの?も消えており、スポンサー獲得はならなかった。


AGS JH25_6

第6戦メキシコGP。ダルマスがラルース・ローラの鈴木亜久里に0.3秒差まで詰めたが、予備予選落ちに終わる。タルキーニもダルマスのすぐ後ろの33位で予備予選落ちとなった。相変わらずの予備予選落ちであるが、少なくとも新車投入の成果はあったようだった。このレース後、チームはエンジニアの補強としてザクスピードからレイトンハウスに渡っていたエアロダイナミシストのピーター・ウィスを迎え入れた。


AGS JH25_7

チームの地元である第7戦フランスGP。ノーズ周りに新パーツを投入したおかげか、タルキーニ、ダルマスともにラルース・ローラの2台に続いて予備予選を突破し地元での面目をどうにか保った。その後の予選ではタルキーニが28位で予選落ちしてしまうが、ダルマスは最下位の26位で決勝に駒を進める。レースでもトラブルなく17位で完走し、ようやく結果らしい結果を持ち帰ることができたAGSであった。


AGS JH25_8

第8戦イギリスGP。ダルマスは0.7秒差でオゼッラのオリビエ・グルイヤールに敗れ予備予選落ち。一方のタルキーニはラルース・ローラの2台に続いて29位で予備予選を通過。予選も調子が悪くなかったタルキーニは最下位の26位で決勝進出に成功する。だがレースは41周目にエンジンが壊れ、残念ながらリタイヤに終わった。


AGS JH25_9

第9戦ドイツGP。タルキーニはエンジンが壊れタイムを伸ばせず、予備予選落ちに終わった。ダルマスはどうにか予備予選を通過したが、土曜フリー走行でDFRが壊れ、さらに交換した別のDFRも壊れてしまいまともにアタックできなかった。これでAGSはエンジンの手持ちも無くなってしまい、予選落ちして泣く泣くサーキットを後にしたのだった。


AGS JH25_10

第10戦ハンガリーGPはリジェの2台に続いてダルマス、タルキーニともに揃って予備予選の通過に成功する。予選はダルマスが惜しくも27位で予選落ちとなったが、タルキーニはミナルディのパオロ・バリラに0.1秒差で負けたが24番グリッドを得た。レースはトップから3周遅れの13位で完走を果たし、今シーズン最高位の記録を持ち帰ることに成功する。


AGS JH25_11

第11戦ベルギーGP。ライバルであったモンテヴェルディが撤退したことにより、よほどの事が無ければ予備予選を通過できる状況にはなった。予備予選は通過したタルキーニとダルマスだったが、28位と29位でそれぞれ予選落ちに終わる。


AGS JH25_12

第12戦イタリアGPではニューシャシーの044がタルキーニに与えられた。やはり予備予選の通過に成功した2台であったが、タルキーニは0.03差でオゼッラのグルイヤールに敗れて予選落ち。予選24位からスタートしたダルマスは14位で最下位を走っていたが、完走扱いにはならずレースを終えた。


AGS JH25_13

第13戦ポルトガルGP。タルキーニは予備予選を通過したが、29位で予選落ちに終わった。ダルマスは予備予選を通過し25番グリッドを獲得。ところがレースは3周目にドライブシャフトが壊れ、リタイヤに終わった。


AGS JH25_14

第14戦スペインGP、予備予選をトップタイムで通過したのはAGSの2台だった。予選もタルキーニとダルマスの2台が揃って23位と24位に位置する。レースは5周目にタルキーニがブラバムのステファノ・モデナと絡んでリタイヤ。一方ダルマスがアロウズのミケーレ・アルボレートを抑えて9位でフィニッシュ。今シーズン最高位を更新した。


AGS JH25_15

最終戦オーストラリアGP。ヨーロッパラウンドを最後にユーロブルンとライフが撤退し、忌まわしき予備予選は消滅した。ダルマスは28位で予選落ちするが、タルキーニが26位で決勝に進出。だが58周目にオイル漏れから引火しタルキーニはリタイヤしてしまった。



AGS JH25_16

こうして空力的にも攻めた設計のニューマシンを投入したAGSであったが、そのセッティングに不慣れだったためか当初は予備予選落ちを喫していた。空力面で手を入れたためか、JH25はそれまでのマシンに比べて路面変化に敏感で扱いにくいマシンであった。とはいえ厄介なJH24に比べれば、JH25はずっといいマシンであった。またモンテヴェルディチームの撤退により状況は好転して予選まで駒を進めることが楽になり、新加入のウィスの働きも良い方向に向かった。しかし総じて見ればチーム力はあまり向上しておらず、予選落ちする様は相変わらずだった。ド・ルーブルの改革はあまり実を結んだとは言えず、チームは毎年負債の額を大きくしていったのである。


AGS JH25_18

予選・決勝とも最高位は第14戦スペインGPで、タルキーニが予選22位、ダルマスの決勝9位というものであった。コンストラクターズランキングはダラーラやオゼッラには勝ったものの、途中で撤退したモンテヴェルディ・オニクスに負けて14位であった。




JH25は5台が製作された。
JH25-040はシーズン前のテストでクラッシュしたため放棄されたが、その後JH25Bに改修された。

JH25-041は第2戦ブラジルGP後に完成し、第3戦サンマリノGPでスペアカーとして投入された。第4戦モナコGPから第6戦メキシコGPまでタルキーニが使用したが、第7戦フランスGPから最終戦オーストラリアGPまでスペアカーとなっている。

JH25-042は第2戦ブラジルGP後に完成し、第3戦サンマリノGPでタルキーニ車として投入された。第4戦モナコGPはスペアカーとなったが、第7戦フランスGPから第11戦ベルギーGPまでダルマスが使用している。その後JH25Bに改修された。

JH25-043は第4戦モナコGPで投入され、第6戦メキシコGPまでダルマス車だった。第7戦フランスGPから第11戦ベルギーGPまでタルキーニ車となった後、第12戦イタリアGPから最終戦オーストラリアGPまでは再びダルマスが使用している。その後JH25Bに改修された。

JH25-044は第12戦イタリアGPで投入され、最終戦オーストラリアGPまでタルキーニ車だった。

16/07/03 修正
16/07/10 修正
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  1. 2016/07/01(金) 00:00:13|
  2. F1マシン
  3. | コメント:9
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コメント

待ってました!

いつも楽しみにしてます!
  1. 2016/07/01(金) 16:03:08 |
  2. URL |
  3. Pom #-
  4. [ 編集 ]

このチーム規模でモノコック五台は…頑張りましたね!
うーん…も少しノーズ持ち上げたらラルト23みたくなりますね~アレも、「当時のトレンド全部載せ」でしたが結果は(^_^;)
ショーナックさん…切り捨てたアレジが出世して(^_^;)バツが悪かったのかもしれない。
ル・マン…もすこし運があったら(T_T)残念でしたね
  1. 2016/07/01(金) 17:33:45 |
  2. URL |
  3. lc1gr6 #ZdfQhLTQ
  4. [ 編集 ]

そういえば~DAMSにマルボロ穫られて~ショーナックさん手元不如意の時期だったのかもしれない(^_^;)
タイレルのアレジがマルボロに囲われていたのも皮肉ですね…
  1. 2016/07/01(金) 18:08:14 |
  2. URL |
  3. lc1gr6 #ZdfQhLTQ
  4. [ 編集 ]

やはり綺麗だと思う。ヽ(´▽`)/

JH25ですね~。AGS最後の完走マシンになるんですよね。

でも、モノコック5台も作ってたんですね。そのおかげでしょうか?91年の初めは資金難だのラルースと合併だのゴタゴタ続きだったのに参戦して開幕戦に間に合ったのでしょうかね?
  1. 2016/07/06(水) 16:49:15 |
  2. URL |
  3. Dr.Strangelove #-
  4. [ 編集 ]

ああ、やっぱり(;´∀`)

更新お疲れ様です(´▽`)

見た目はマーチに似ていますね。空力面はだいぶ洗練されましたけど、エンジンがアレなので結果は残りませんでしたね><

手本にしたマーチがエンジンで泣いたクルマでしたからね、そういうクルマを手本にしても、ああやっぱり・・・という結果になりましたね。
  1. 2016/07/10(日) 00:30:17 |
  2. URL |
  3. ぽこぽこ #-
  4. [ 編集 ]

Pomさん

ありがとうございます。7月中にはAGS終わらせたいんですが…笑
  1. 2016/07/24(日) 01:51:57 |
  2. URL |
  3. Bou_CK #Y17400wE
  4. [ 編集 ]

lc1gr6さん

>モノコック五台
開幕前にいきなり1台壊してて笑います。
まだお金あったんですねこの頃…。

>うーん…も少しノーズ持ち上げたらラルト23みたくなりますね~アレも、「当時のトレンド全部載せ」でしたが結果は(^_^;)
RT23…結構重要かもしれない。

>ショーナックさん
意外な所に絡んでいましたが、この頃は苦しい時期でしたか。
  1. 2016/07/24(日) 01:59:21 |
  2. URL |
  3. Bou_CK #Y17400wE
  4. [ 編集 ]

Dr.Strangeloveさん

JH25綺麗なマシンですよね。黒くて強そうなんですけど…笑

>でも、モノコック5台も作ってたんですね。そのおかげでしょうか?
少なくとも1台は大破したのを復帰させているんですよね。
90年に直して使わなかったということはモノコックに
何らかの損傷があったのではないかと思うのですが…。
  1. 2016/07/24(日) 02:03:46 |
  2. URL |
  3. Bou_CK #Y17400wE
  4. [ 編集 ]

ぽこぽこさん

マーチを手本にした感じですが、コローニC3の進化型という感じは好きです。
エンジンはDFRなんですが、整備が悪かったんですかねえ。
どうにもトラブルが多い。
  1. 2016/07/24(日) 02:07:56 |
  2. URL |
  3. Bou_CK #Y17400wE
  4. [ 編集 ]

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歴史に残らないレーシングカー(主にF1)のマニア

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